フィンランドにあるハンコ寿司とは?
海外ではどこへ行っても寿司ブームです。フィンランドも例外ではありません。特にこの国では生ではないものの魚の酢漬けのような原型を彷彿させまたやや生臭い?魚を食べる習慣があるので、寿司=生の魚に対する抵抗は少ないのかもしれません。フィンランドでは日本人が経営している本格的な日本料理や寿司屋は数少ないのですが、寿司を愛する?フィンランド人は勝手に日本食を広めています。Hanko Sushiもそのひとつです。
日本人がこの名前とこのロゴを見たときすぐに思いつくのはハンコ、すなわち印鑑です。ロゴをよく見るとOの部分に印という文字があり、日本語のハンコに由来しているのが確認できます。ここで湧いてくる疑問は、日らしい言葉として、SakuraとかGeisha, Fujiyama,時にはZenのような言葉が用いられることは多いのですが、なぜハンコかという事です。確かにフィンランドではハンコを用いないので日本らしいと言えばそうなのですが、ややすっきりしない回答にしかなりません。
一方でフィンランド人はHankoがハンコ=印鑑に由来していることを知りません。印の字をみてもアルファベットかと思うようです(特に右側はPに見える)。これがハンコの意味だという事を伝えるとかなり驚きます。かと言って、フィンランドのひとは特に日本語っぽくないであろうHankoという名称の由来に疑問を抱くことはありませんでした。それは、この国のひとにとってHankoは別の意味を持つからです。
フィンランド人にとってHankoとはフィンランド最南端、スウェーデンと国境を接する小さな港町の名前です。人口は1万人ほどですが、その港町として機能や国境の街という理由でフィンランド人なら誰でも知っています。Hanko Sushiは、港町Hankoの寿司という理解です。港=海というイメージと相まってとても当たり前に受け入れているのでこの名称の意味をあらためて考えてみるひとはあまり多くないようです。
Hanko Sushiはフィンランド最大の寿司チェーンです。いったいどの都市が本拠地の会社か調べてみると第一号店は本当にHankoだということがわかりました。Hanko出身のひとなのかまではまだ謎です。但し、日本語とのフィンランド語で似通った発音が多いことを知っていてHankoがハンコと同じ発音であることをユーモラスに活用したひとがいたことはわかりました。もしそれを裏付けるためにわざわざHankoに一号店を開いたなら凄すぎですが、その秘密を解くのはもう少し時間がかかりそうです。