ヘルシンキの忍者教室(パルクールスクール)とは
フィンランドのスポーツといえばアイスホッケーやノルディックスキーが有名です。また一般のスポーツではありませんが多くのF1レーサーを輩出しています。というもののこの国の人々はスポーツをむしろ生活の一部として捉えているようです。パルクールはフランス生まれのスポーツですが、フィンランドでも年齢を問わず普及しています。
パルクールといえばYamakasiという映画を思い出すひとがいるかもしれません。屋根から屋根に飛び移ったり塀の上をフリップしながら走っていったりと、アクロバティックな面が強調されていますが、実は地味なスポーツです。街を歩いていてどこにでもあるような障害物を如何に効率よく超えていくか、それがこのスポーツの基本です。その瞬発力や判断力は教育の為にもいいという評価がされているようです。
ヘルシンキの中心街から列車で15分ほどのところにパルクールスクールがありました。ここの生徒?は5歳から65歳まで。学校が終わって子供たちが駆けつけます。10年ほど前は映画などのイメージが先行したためかやや危険という捉え方をされていたようですが、パルクールスクールの運営者などの地道な努力により今では子供たちはもとより親にもポジティブに受け入れられているスポーツとなっています。
ここは室内ですが、夏場には室外にあるパルクールパークも練習の場となります。子供たちはチャレンジが大好きです。置かれている障害物を思い思いのやり方で超えていきます。勿論、コーチの先生はそれをしっかり見ていてより効率的かつかっこいい?超え方を指導しています。考えてみれば幼い頃公園や空き地で遊んだそんな光景が形を変えてここにあるだけかもしれません。
この国では子供たちを子ども扱いすることはありません。パルクールスクールにおいてもまるで大人と接するようにロジックを説明しています。それを聞いている子供たちも真剣です。小さい頃から一人のひととして扱われることに馴れているためでしょうか?大学生ともなれば社会人と同じような考え方や振る舞いをしているひとが多くような気がします。ここではスポーツを通して体を鍛えるだけではなく人間形成の場として利用されているようです。