フィンランドの魚の酢漬けはこうして食べる – Suutarinlohi
フィンランドの食文化はやや魅力に欠けているかもしれません。今でこそいろいろな食べ物が手軽に手に入るようになりましたが、かつては限られていました。その為か、食文化はあまり発達しなかったのかもしれません。そうした環境のなかでSuutarinlohiは、数少ないフィンランドの伝統料理のひとつです。
Suuntarinlohiは、魚の酢漬けです。酢と言ってもやや甘めに感じます。Lohiはサーモンの意味です。しかしこれはサーモンではありません。Suuntariとは靴屋さん(ないし靴職人)の意味、靴屋さんのサーモンという名前の食べ物です。実際に使われているのはニシンです。語源は不明なのですが、おそらく昔のこと、靴屋さんは貧しくてサーモンを買えなかった。その靴屋さんにとってのサーモンは大衆魚であるニシンだったとかそういう話ではないかとフィンランドの友人から聞きました。今でもその大衆性は健在で、スーパーに行けばかなりのスペースをとって販売されているのですぐに目につきます。
ふたをとると魚がきれいに並んでいます。このまま食べることも可能です。かつては新鮮な魚を保存する手段が限られていたのでこうした手法が普及したのではないかと創造されます。
中身をとりだしてみました。ちょうどしめ鯖のような感じ。身がしっかりしているので型崩れしません。
料理はいたって簡単です。フィンランド独特?のライ麦パンの上にバターを塗ります。クリームチーズを塗っても構いません。茹で卵を作りそれを切って載せます。ディルというハーブはフィンランドではよく使われます。それを載せて出来上がりです。
味はしめ鯖をやや甘くしてパンに載せて食べたような感じです。やや生臭さを感じるかもしれません。しかしこの料理?はフィンランドのどこへ行っても見かけます。カフェのガラスケースの中にはサンドイッチやバーゲルと並んで必ずといっていいほどおいてあります。貴重な?フィンランド料理のひとつであることは間違いありません。