ヘルシンキ中央駅では季節を感じる
ターミナルとは終着駅のこと、欧州では終着駅がある街が多くあります。やや街のはずれにあったり、環境が悪い地域にあるところもありますが、ヘルシンキの中央駅は街のど真ん中に位置し、ここから街が広がっています。日本の駅のように多くのお店が軒を連ねているわけではありません。しかし、駅の中には季節を感じさせてくれる出店があり、ヘルシンキを訪れるひとを温かく迎えてくれます。
テントで作られた仮設店舗は何故かいつもそこに立っています。このような出店は港の近くの広場や他の駅の駅前広場でもありますが、売っているものはどこもほぼ同じで、旬の野菜や果物が並んでいます。時期によって販売しているものは違います。
この時期の旬のもののひとつはえんどう豆です。山盛りになったえんどう豆を販売するときは、大きなコップのような入れ物に詰め、いっぱいになったらそれで1リットル、重さではなく容積で量が決まります。1リットル5ユーロ(約700円)くらいなのでやや割高ではありますが、フィンランドのひとは季節、特に夏を大切にします。えんどう豆が軒先に並ぶのは夏の訪れを合図です。
フィンランド産のイチゴが出回る前にベルギー産やスペイン産のイチゴが並びます。5月だとフィンランド産のイチゴはまだ並びません。とりあえず海外産のイチゴを食べてやはりフィンランド産が一番だといいながら国内産のイチゴが出回るのを楽しみに待っています。この写真では箱売りになっていますが、イチゴもえんどう豆同様、1リットルで販売されているところもよく見かけます。
暫くすると、ベリーが出てきます。ブルーベリー、ブラックカラントなどフィンランドのベリーは豊富です。そして忘れてはいけないのがキノコです。カンタレーラと呼ばれるキノコ(日本語名アンズダケ)、スッピロバフベロと呼ばれるキノコ(アンズダケの仲間と思われるが日本語名不明)など、全て夏の訪れを教えてくれる食べ物です。勿論すべて自然の森の恵みです。