タンペレは、ムーミン博物館以外にも魅力満載のワケ
タンペレは、フィンランド中部の(この国の)大都市です。人口は20万人ほどですが、首都のヘルシンキさえ人口50万人ですから、それなりの規模がある街ということになります。ヘルシンキからは鉄道でもクルマでも約2時間ほどで着きます。タンペレというとあまり馴染みはないかもしれませんが、ムーミンファンのひとなら訪れることも多い場所です。それは、この街にムーミン博物館があるからです。もともとは工業の街、といえども、工業の街だったからこそ、この街には独特の風景があります。
街の構造はとても簡単です。中心をハーメンカトゥ(ハーメン通り)が走っています。タンペレ駅から続くこの道は端から端まで歩いても30分ほどの距離です。駅から10分くらい歩いたところがその中心ですが、歴史を感じさせる橋の上の銅像が迎えてくれます。
タンペレは、ネシ湖とピュハ湖に挟まれば場所にあります。写真の中心部に滝があります。これは、二つの湖に高低差があるため、滝のようになっている部分です。
タンペレ周辺は、フィンランドの湖水地方です。湖が点在しています。どうも湖はどこかで繋がっているらしく、かなり遠くからでも来ようと思えば船でタンペレの中心まで乗り入れる事が可能なようです。
ハーメンカトゥを半分くらい歩いたところに広場があります。そこには1904年に建設されたタンペレシアターがあります。
タンペレシアターの真向いは1890年に建てられたシティホールです。この二つの建物の中間には1824年に建てられたオールドチャーチが聳え立っています。
と、ここまでは欧州の古い街並みとあまり変わらないのですが、タンペレの街の特徴づけているのは、かつての工業の中心だった時代の面影です。レンガ造りの工場・倉庫と煙突が街の光景にアクセントをつけています。
街のど真ん中には稼働中の工場もあります。ここは、フィンランド最大の木材・紙パルプ企業であるMetsaという会社の包装材工場です。時々煙が上がりますが、水蒸気です。
工場の一部は、商業用にも活用されています。ややインダストリアルな建物ながら、そこには小さなデザインショップが並んでいます。ここへは、ハーメンカトゥに並行して架けられている歩行者用の橋を通っても行くことができます。その先にあるのは、船が停泊しているタンペレの人々の憩いの広場です。
ちょっと前には携帯電話市場で圧倒的な強さを誇っていたノキアは、タンペレの隣にある街の名前です。かつての紡績からIT産業の中心のひとつとなってきたタンペレですが、その工業遺産は、当たり前のように歴史のある風景に溶け込んでいます。