フィンランドでは健康をキーワードとした起業が花盛り
フィンランドは福祉国家として知られています。福祉というのは福祉事業のような特定の分野を意味するのではなく、住みやすい社会そして健康的な社会であることを意味しています。近年、この国はIT企業が元気な場所としても名を馳せてきました。となれば当然健康をキーワードとしたビジネスが盛んになってきます。健康関連のビジネスを紹介しまたネットワーキングするようなイベントは多々開催されているようです。ヘルシンキ大学医学部キャンパスで開催されたUpgraded Life Festivalというイベントも多くのひとで賑わっていました。
会場は、ヘルシンキ大学医学部キャンパスの一角です。ここはフィンランドで最も権威のある病院のある場所で、フィンランドで病気になるには最高の場所だとジョークを飛ばしていました。
大学らしくまたスタートアップ企業が参加している雰囲気を会場づくりから感じる事ができます。大きな垂れ幕には様々なメッセージが込められているようです。
最近のスタートアップ関連のイベント同様、中央にはスタートアップ企業のブースが並びます。おそらく40社くらい参加していました。セミナー・レクシャーの会場は2か所あり、同時にプログラムが進められていきます。
会場には、スタートアップの関連するあらゆるひとが集まっています。起業家、メディア、投資家や行政関係者など、フレンドリーな雰囲気の中でシビアな話がされています。
会場の周りは、医学部の教室のようです。隠すわけでもなく、教室内部が覗けるのもちょっとこの国らしさを感じます。
階上にはアート?が飾られていました。真紅の色に魅せられ近づいてみました。
どこから集めてきたのか使い古しのランジェリーがその正体でした。。。
既にビジネスを開始する準備が整っている企業は大きなスペースを確保しています。この会社は、スポーツ関連のクラス・イベントをまとめて検索・予約できるサイトを作ったばかり。気合が入ります。
レクシャーは広範囲のテーマで行われています。市場動向、製品動向、法律、知的財産権など想像できるテーマは殆ど網羅されていました。参加者は2会場で同時に行われているプログラムの中から、興味があるほうを自由に選んで参加しています。パネルディスカッションもありましたが、パネラーが自由に討議を行っていたのは印象的でした(日本ではパネルディスカッションという名のグループ発表が多い気がします)。
オランダ大使館も参加です。ヘルスケアという言葉が使われていますが、そのほか、ウェルネス、スポーツ、医学、医療など、健康というキーワードを広義に捉えて様々な方面からひとが集まっていました。IT技術とは一線を画した参加者もいます。コンサルティング、健康食材、食事療法などもUpgraded Life Festivalのカバレッジです。
しかしながらウェラブルはもっとも重要なキーワードだったようです。必ずしもウェラブルではないので、IOT = Internet of Thingsという言葉のほうが多く使われていたかもしれません。そのなかでも、Bedditという睡眠モニターは、フィンランドのスタートアップ企業として最大の資金調達をクラウドファンディングによって実施した実績があり、際立っていました。
Upgraded Life Festival、Festivalですからどこかお祭りの様子がなくてはいけません。やはりいました。シリアスな討議を重ねた後もお祭りにしてしまう。フィンランドのスタートアップ企業の強さはこうした柔軟なネットワーキング力が原動力なのかもしれません。