フィンランド人がサウナにこだわる2つのワケ

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フィンランド人がサウナにこだわる2つのワケ

フィンランドのサウナ

フィンランドのスチームサウナ

 フィンランドと言えばまず思い浮かぶのがサウナです。熱い水蒸気が体を包むのがサウナのイメージです。サウナはこの国の人々にとって欠かせないものです。ゆえにサウナと一言で言っても様々なサウナがあるのは想像に難くありません。一般的に知られていてまた普及しているのはスチームサウナです。水の入ったタンクがありその水を炊くことでサウナを温めます。しかしながら、本格的なサウナはスチームサウナではありません。フィンランド語でサブサウナと呼ばれるものが本来の伝統的なサウナです。

フィンランドのサウナ

フィンランドのスモークサウナ

 サブサウナとは英語でスモークサウナと訳されます。ドアの部分が煙で黒くなっています。また、スモークサウナには煙突がありません。中も真っ暗です。スチームサウナが発明される前?は、もともとサウナといえば、このスモークサウナの事でした。とても手間と時間がかかるので今は殆ど見られません。また、スモークサウナと称していても、今ではエレクトロニックサウナと組み合わせあったりと、この伝統的かつ本格的なサウナと出会うのはよほど運がいいかスモークサウナ(それも本格的なもの)があると確認していかない限り、不可能です。 

フィンランドのサウナ

薪をくべる

 スチームサウナは1時間もすれば、準備が整います。スモークサウナは、4~5時間かけてゆっくり温めていきます。薪を早く入れすぎると熱くなりすぎて入れなくなります。まずは、中についている小さな窓を開けます。これは中の煙を外に出すためです。それ以外は窓も灯りもありません。薪を多めに入れて火を点けます。煙突がないため、煙の匂いも大切です。通常は、白樺を多く用いますが、スモークサウナでは松を用いたほうがいい香りが残ります。

 次に薪をくべるのは、入れた薪が全て燃え切って種火になってからです。だいたい、30分から1時間かかります。薪が燃えて種火になったのを確認して次の薪をいれる。その際ドアを開けると一気に煙が出てきます。ちょっとドアを開けて煙を出した後は、息を止めるなりして勇敢に中に入らなくてはいけません。これを4回くらい繰り返します。最後だけやや火の勢いが強めになるようにやや早めに薪を追加するのがコツのようです。 

フィンランドのサウナ

炉の中を掃除する

 サウナの中が十分に温まりました。温まったといっても温まったのは、薪の上にあるサウナの石。これが熱くなりそれが空気を直接温めます。石の温度がとても高いので、ドアを開けても空気はすぐに温まります。これだけではサウナに入れません。中の煙をどうにかしなくてはいけません。そのために薪や灰をすべて外に掻きだします。すなわち、追い炊き?はできません(全く必要ないくらい熱くなっています)。

フィンランドのサウナ

水をかけて埃を出す最後の仕上げ

 最後の仕上げは、石の上に水を撒きます。水を撒くと一気に水蒸気が上がり、残っていた灰がドアから一気に外に出てきます。スモークサウナというものの中はきれいな空気になり、灰も残っていません。小さな窓を閉め、後はサウナに入るだけです。

 スモークサウナでも、石の上に水を撒けば熱い水蒸気が一気に充満しスチームサウナと同じような環境になりますが、とにかく熱いので水を撒くのはとても注意と勇気が必要です。それよりは乾燥した熱い空気で汗が出てくるのを待ち、また、サウナ用の特別な石を使っているせいかやや薄荷のように感じる空気を深呼吸するのが一番の楽しみです。

 熱い空気が温まった体は冷めることなく、目の前に湖に飛び込んでひと泳ぎしたあとまたサウナに入る。あるいはビールを一口飲んでからまたサウナに入る、こうした過程を何度か繰り返すのが、本格サウナであるスモークサウナを楽しむ王道です。一度スモークサウナに入ると癖になり、また、この国に戻ってきたくなります。これもフィンランド人の知恵なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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