ヘルシンキにある世界一ゴージャス?なバーガーキング
ヘルシンキの中心に位置する中央駅は、1919年(第一次世界大戦終了を意味するベルサイユ条約が締結された年)に建設された。その壮観なデザインも印象的だが、もう一つ驚くことがある。昨年、この国に進出したばかりのバーガーキングの一号店は、中央駅にある。
昨年までは、中央駅を設計したデザイナーの名前にちなんだエリエルというレストランがあった。その巨大なドーム式の建物にはそぐわないブッフェスタイルのレストランで、お世辞にも客が多かったとは言えない。
今でも、ロシアのセントピーターズブルグへの国際列車が発着しているが、かつては、国際列車が多く行き来したことだろう。列車を待つ上質な乗客がこの場で食事をし、ワイングラスを傾けた場所であったことは想像に難くない。
その場所に突如としてバーガーキングが現れた。この国の人は、保守的だ。マクドナルドはあるものの、おそらくここでしか見られないヘスバーガーという地元資本に後塵を拝している。スターバックスでさえ、地元資本のロバーツコーヒーの牙城を崩せないでいる。
バーガーキングがこの国への進出で取った戦略は、ヘルシンキを訪れる人が必ずと言っていいほど使う中央駅に巨大な店を開くことだった。入り口から入って数十メートルの先に注文カウンターがある。天井の高さは押して知るべし。おそらく、世界でもっともゴージャスなバーガーキングはこうして誕生した。
ジャンクフードを求めるひとばかりではあるが、かつての賑わいが少しだけもどってきたような気がした。