ヘルシンキ(フィンランド)に来たらトラムに乗ろう
現在フィンランドではヘルシンキだけトラム=路面電車が走っています。かつてはフィンランド第二?第三の都市トゥルク(いつもタンペレと競い合っています)にもありましたが、1972年に廃止になりました。ヘルシンキのトラムは世界でももっとも歴史がある路面電車の一つです。既に100年を超える歴史があります。1888年に馬車による路面馬車?が始まり、1900年頃には最初の電動トラムがこの街を走っていました。
ヘルシンキのトラムは約10路線あります。年間で5000万人以上の人が利用しています。フィンランドの人口が500万人ほど、ヘルシンキの人口が50万人足らずですからどれだけ市民の足として利用されているかがわかります。多くの停留所には待ち時間を示す電光掲示板があります。一番上に現在の時刻、その下にはどの路線のトラムが後何分で来るか示されています。次のトラムとその次のトラムの2つが表示されます。写真では1Aというトラムがゼロ分(間もなく到着)と11分後に到着すると示されています。路面電車なので時間は確定しませんが、本数が多く、待ち時間がわかっているので、いらいらすることはありません。
ヘルシンキのトラムは古い型から新しい型まで様々な車両が走っています。古い車両に乗るとちょっと得をした気になります。この街の雰囲気とよりマッチしているからです。電気によって動くので騒音は殆どありません。曲がるときに摩擦音がすることがありますが、それも街の一コマになっています。
トラムの中はいたってシンプルです。バスは前から乗らなくてはいけませんが、トラムはどこから乗っても構いません。切符を見せる必要もありません。但し検札があって乗車券を持っていないと80ユーロの罰金を支払わなくてはいけないので注意が必要です。切符がなければ、前から乗って運転手さんから購入することができます。最低運賃は3ユーロです。これは乗車前に販売機で買えば2.5ユーロなのでなるべく事前に買うようにします。最低運賃以外は料金は車内で買っても事前に買っても同じ。一日乗車券も販売しています。お札でも払えますが20ユーロ紙幣まで使用できます。50ユーロ紙幣以上は受け取ってもらえないので注意が必要です。車両はそれぞれ中の構造が違っています。車両によってローフロアの部分が用意されているので、ベビーカーの乗り降りも簡単です。
港の傍から乗りました。港にある小さな市場の前を通り過ぎます。それほどスピードは出していませんが、カーブがきつかったりするので実際よりスピードが出ているように感じる事があります。トラムから眺める風景は新しい街の発見を促してくれます。
教会の前を通り過ぎます。一日乗車券を買ってトラムで当てもなく街をさまよってみるのも楽しい旅になります。時々渋滞になったり鉄道の上を走っているクルマに停車を余儀なくされることもあります。そんな時には、また新たな街の発見があるかもしれない、そんな時の流れを感じられるのはフィンランドでの旅の醍醐味かもしれません。