ちょっと微妙なエストニアの子供の乗り物
かつて日本でも駄菓子屋さん、はたまた薬局の前などに小銭を入れて動く子供用の乗り物?が置いてありました。今ではあまり見ることもなくなりました。エストニアやフィンランドでもそこらじゅうにあるわけではありませんが、日本に比べまだまだ健在のようです。タリン(エストニア)のフェリーターミナルにもかなりの存在感でひとつの乗り物がありました。
エストニアのデザインはフィンランド同様洗練された素朴さを感じるものが主です。デザイナーだけでなくエストニアの人々もシンプルなデザインを愛しているように感じられます。当然完ぺきということはありません。時々、首をかしげたくなるようものに出くわすのもご愛嬌です。こうした乗り物はかなりの確率で中国製です。クオリティに対しての懸念から中国製の製品に対してやや否定的な声を聞くことが多いのですが、この国でも生活の中には既に多くの中国製品がビルトインされているようです。
それでも子供たちにとっては魅力的な乗り物です。列をなしたり周りでみているようなことはありませんが、だいたいいつも子供が遊んでいます。特に楽しいとか嬉しいとかそういう表情で遊んでいるより、一心不乱に集中していることが多いのも日本とはやや違う点です。
さらに違うのが日本では親が付き添い、写真を撮ったり話をしたりしているような場面が普通のようですが、この国では親の姿が見当たらないことのほうが多いことです。子供を遊ばせている間に親はフェリーターミナルで買い物をしているかもしれませんし、コーヒーやビールを飲みに行っているのかもしれません。
この場所では乗り物がひとつしかないので子供が一人ぽっちでしかし真剣に遊んでいるという不思議な光景になっています。親も子供の自立しているのかもしれません。そして安全であること。楽しそうかどうかは意見が分かれそうな乗り物ですが、そこで遊ぶ子供からもこの国の人々の生活や考え方を垣間見ることができます。