Telliskivi – エストニアの廃墟を探検してみた
タリンの旧市街は中世の面影を色濃く残しており旧市街全体が世界遺産に登録されています。旧市街のすぐ外側にはタリンの鉄道の玄関であるタリン駅があります。更にそこからすぐの場所にこの廃墟が存在しています。ここはかつてのBaltic Railwayの工場跡、かつては鉄道を製造していました。
TellisKiviとは、エストニア語でレンガの意味です。多くの建物がレンガ造りゆえこの名前が付けられています。25000平米ほどのスペースは現在タリンのクリエイティブスペースとして新たな使命を追っています。
廃墟をクリエイティブかつクールスポットにしようという動きは欧州では珍しいことでありません。しかしながら多くのプロジェクトでは、一部の建物を新設したり手を加えたりと完全にかつての様子を残すことはあまりありません。ここTelliskiviはかつての工場そして廃墟と化した面影がそのまま残っています。
こういう場所を訪れると天気までタイムスリップするようです。こころなしか1991年独立回復以前のソビエト時代にいるような気持ちになります。
クリエイティブスペースとしての使命はまだ始まったばかりです。それゆえ、おそらくまだ使われていないだろう建物もいくつか散見されます。全体で11の建物からTelliskiviは構成されています。
現在は左側の建物が主に活用されています。1階はデザインショップが並び、奥にはカフェを併設しています。2階以上はオフィスやショールーム、またテンポラリーに利用できるオフィス会議室になっています。橋がありますがこの橋は廃墟のまま。隣の建物も同様で橋を渡ることはできません。
他には一棟丸々レストランになっているところやシアターなどがあります。また、イベントをするにはスペースに事欠かないので、コンサートやアートの展覧会、また戸外を利用したフェスティバルなども頻繁に行われています。手を加えないことの価値をこの国のひとは理解しているようで、新しい廃墟の在り方をみるような気分に浸れます。