フィンランドの信号機で感じる3つの賢さ
どこにでもあるような信号機の押しボタンです。この国らしいデザインのセンスは感じられません。それなのにこの押しボタンの写真を撮ってしまったのにはわけがありました。
この押しボタンは、おそらくこの国の全ての信号機についているでしょう。異国にいるときの原則?は、動くものは動かしてみる、押せるものは押してみる。その原則に沿って押してみました。
光っているところがあります。押すというよりタッチに近い感触。すぐに何かが起きました。それは瞬時に歩行者用の信号が青になったこと、その速さに心地よさを感じます。
調子に乗り、次の機会に押してみました。押せません。ライトが消えています。と、まもなく信号が青になりました。なるほど。信号がもともと青になる直前は押せない。そうでないときにはすぐに青になる。それだけのことなのですが、ひとにやさしい街、人が中心の街だということを感じる事ができました。
さて、ある日曜日の朝、同じところを通りかかると信号がすべて消えています。お昼過ぎからは、信号がいつもの通り動きだしていました。欧州では、日曜日は休息日、朝がとても遅い一日です。朝方は、街に人影も少なく、車もあまり走っていません。それゆえ、信号が消えているのでしょう。
何の変哲もないこの箱から、この国の、地味ながら賢い知恵に触れることとなりました。
フィンランドのスマートさが信号にも見られる。常にキョロキョロして私もスマートな点をたくさん発見してきたいです。
異国を旅するとき、何気ないでも新しい発見に出会えるのが何よりの楽しみです。キョロキョロの後には、動かしたり押したりしてみると楽しさがでてくるかもしれません。